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2011年03月28日

浜松まつりの性格

「浜松まつりは初子を祝うまつりだから中止しなくてもよい」
「浜松まつりは初子を祝うという性質上、この時期ふさわしくない」
ネット上ではこんな言葉を多数みかける。

お祝いをする事を否定するつもりは毛頭無いし、あたり前の事だと思っている。が「初子を祝うまつりだ」と言われるとなんだか違和感がある。


「浜松の凧揚げまつりは(あるお宅の)長子誕生を祝う」というのが自分の理解。だから間違ってもお初子様なんて言わないし、何よりもお施主さんに対して一生懸命やる事が大事だと思っている。

そしてこの初祝いも重要な構成要素だが、これが全てではない。古くから遠州各地では初凧を揚げる習慣があるが浜松ではこれに町同士による凧合戦の要素が加わり、盛んになっていったという経緯もある。1970年代や80年代に出された写真集を見ても凧場で万歳しているシーンは映っていなくて町のいかつい兄ちゃんたちの合戦シーンばかりだ。


「浜松の凧揚げまつりは長子の誕生を祝って五月の節句に行われます。お祝いの凧を作り、町内のおとなやこどもたちが空高く揚げ、町と町で凧糸を切り合い、男の心意気を競うのです」
合戦という映画の冒頭のシーンですが、まつりの性質をよくあらわしています。

前回の日記でこのお祭りの究極は町内融和と書いた。予想されている東海地震を考えれば重要な事だと思うが今回の中止決定ではその要素は考慮されなかった。
お祝いという言葉のもとに際限なく肥大化し派手になっていった結果が、まつり事体の誤解を招き、今回の決定の遠因になったようにも思っています。



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Posted by NAVA@八まん連 at 23:37│Comments(3)
この記事へのコメント
こんにちは。いつも為になるブログ、楽しく拝見させていただいてます。これからも濃いお話しを聞かせて頂ければ幸いです。

いきなりで申し訳ありません。私は浜松まつりの仕組みというものが、よくわからないものなのですが… 少し感想を…

掛川などは町の青年会の中から選ばれた人間(二十歳〜三十五歳まで)が、順番でその年の年番本部を構成しその年の祭を運営・挙行します。
しかし、決定事項などは年番会議を開いて全町の総務と各区長の意見を聞き、取りまとめていくのです。
でも今年の浜松の様相は、私にとっては少し異様でした。「なんで役所とかがそれをきめてるの? 」
町単位で挙行していると思ってましたし、町同士の話し合いで決めていく事ではないのかな〜と感じてしまったのは私だけでしょうか。
行政の協力は必要だとは思いますが、協力指導の元での挙行は不思議に思いました。
Posted by 雄山神社 at 2011年04月14日 14:24
すいません。訂正です
最後の文の「 行政の協力は必要だとは思いますが、協力指導の元での挙行は不思議に思いました 」ですが、

「行政の協力は必要だとは思いますが、役所関連が先頭に立って挙行したりするのは不思議に思いました」の間違いです。申し訳わけありません。よそ者ですが
Posted by 雄山神社 at 2011年04月14日 14:34
>雄山神社さん

はじめまして。ご返事遅れてすいません。
先日の書き込みを見て久々に「掛川祭りのすべて」のホームページを見に行きました。
それぞれ規模の大きい祭ですが、随分と差が違ついてしまったな、というのが率直な感想です。その原因を考えた時、われわれ努力が足りないのかな、と思いました。
こんな事言うと「お施主さんの為に一生懸命努力してる」と怒られそうですが、どこかに自分の町が楽しければそれでいい、自分たちが良ければそれでいいという土壌が見えるような気がします。

もちろん、町同士の喧嘩(凧と凧の喧嘩)が根底にあるし、私も自分の町以外はみんな敵という環境で育っているので全体を論じる土壌が育ちにくいのも理解していますが、今となってはそれも軌道修正していかなくてはならないのではと考えています。

もうひとつは「本部」という神話。我々は統監部と呼びますが、戦後の流れでいうと祭りを一番よく分かっている存在であり、尊敬の対象でもあります。喧嘩が起こっても統監部が割って入ればみな従うし、どこか我々の代弁者である統監部に任せとけば大丈夫という意識が根付いてしまっていたのかも知れません。雄山神社さんが不思議に思う「なぜ町が話し合わずに決めた事に従うの?」という疑問はそこから来ているのではないでしょうか。
しかしながら今回の件でそれは神話であると気づかされた市民も多いでしょう。なぜこうなってしまったのか、過去と今と何が違ってしまったのか?
その答えにつながるお話は、また機会をあらためて書きたいと思います。
Posted by NAVA@八まん連 at 2011年04月20日 23:52
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